唐沢寿明の目に映る、現代と若者たち

 長きにわたって、第一線で活躍してきた俳優だからこそ感じる、日本映画への愛情ともどかしさ。では、日本の若手俳優への思いは?

「みんな、真面目だよね。お行儀が良くて、そつがない。でもその反面、個性を出さないようにしているように感じるよね。みんな同じような感じで、特別な人がいなくなってしまった」

──元気がない?

「うん、やる側も見る側も元気がないんだと思う。ぼくらが若いころはまだバブルの名残があって、みんな元気いっぱいだったよね。笑ったり泣いたり怒ったり、感情が動くためには、体力と気力が必要なのよ。だからいまは、非常に難しい時代だと思うね」

 だからこそ年を重ねても元気いっぱいで、世の中にもの申す佐藤愛子氏が支持され、90歳を迎えてもなお主演女優として活躍する草笛光子に、我々は元気をもらえる。そして、唐沢寿明にも──。

「でもぼくは、おふたりみたいに90歳まで生きてないから(笑)。人生は壮大なる時間つぶし。好きなものと好きな人に囲まれて過ごしていきたいね」

唐沢寿明(からさわ・としあき)
1963年6月3日生まれ、東京都出身。’87年に舞台『ボーイズレビュー・ステイゴールド』でデビューし、映画、テレビドラマで活躍。主な出演作は、大河ドラマ『利家とまつ〜加賀百万石物語』(NHK)、『白い巨塔』(フジテレビ系)、『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS)、『フィクサー』シリーズ(WOWOW)、映画『ラヂオの時間』、『20世紀少年』シリーズなど。声優としてはアニメ映画『トイストーリー』シリーズでウッディの声を務める。

映画『九十歳。何がめでたい』2024年6月21日(金)全国公開

シリーズ累計178万部の人気エッセイが映画化
生きづらい世の中を〝一笑両断〟! 笑いと共感の痛快エンターテイメント!

原作:佐藤愛子
監督:前田哲
脚本:大島里美
出演:草笛光子
唐沢寿明/藤間爽子、片岡千之助、中島瑠菜
オダギリジョー清水ミチコ、LiLiCo、宮野真守、石田ひかり、三谷幸喜
木村多江、真矢ミキ
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/90-medetai/