16歳で芸能界に足を踏み入れた唐沢寿明のプロフィールは、THE CHANGEに満ちている。『仮面ライダー』シリーズなどのスーツアクターを経て、ミュージカル『ボーイズレビュー・ステイゴールド』でデビュー。NHK朝の連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』、大河ドラマ『春日局』(NHK)で注目を集め、『愛という名のもとに』(フジテレビ系)でブレイク。以来、代表作を並べるだけでページが埋まってしまうほどのキャリアを重ねてきた。最新作の映画『九十歳。何がめでたい』で、昭和気質満載の編集者を演じる唐沢のTHE CHANGEとは──。【第4回/全4回】

唐沢寿明 撮影/有坂政晴

 これまで、数多くの映画やテレビドラマ、舞台に出演してきた唐沢寿明だが、仕事を受ける判断基準はあるのだろうか?

「基本的には、オファーをいただいて、その作品なり役柄なりに〝やりたい〟と感じるものがあったらやります。『九十歳。何がめでたい』でいえば、草笛光子さんですよね。『利家とまつ』(NHK)でご一緒させていただいたことがあって、草笛さんが主演を務められるのなら、と」

──では、やりたい理由が見つからないときは断る?

「何か自分の中で〝やる(演じる)目的〟を見つけるわけ。ただ、自分から〝これがやりたい!〟と言うのは、ちょっと違うと思っている。なぜかというと、作品は自分がやりたいから作るんじゃなくて、見てくださるお客様のために作るものだと思っているから。そういう意味では、日本は作る側の気持ちの方が、優先されているように感じるよね」