1日限りのプレミアムな「祝・日比谷野音100周年 しょこたんフェス」を開催した中川翔子さん。同じ時代を生きて互いを“戦友”とも表する平野綾さんとの共演は、多くの人を歓喜感涙させ話題に。歌手、声優……それぞれのジャンルを超越し、常に新しいものごとを生み出し続けるふたり。これまでの歩みの確認であり、さらなる飛躍への決意表明ともいえる夢の顔合わせとなりました。

中川翔子 平野綾

道を切りひらく、ふたり

――先日、中川さん主催の「しょこたんフェス」での共演が話題になりましたが、おふたりは10代の頃から仲がいいんですよね。

中川 綾ちゃんはかわいくて、キラキラしていて両手からこぼれ落ちてしまうあらゆる素敵を持っているんですよ。

平野 翔子ちゃんはいつ会ってもこのテンションで(笑)、10代の頃からずっと変わらないでいてくれるから、会うと安心します。

中川 会った頃は、オタクというものは世の中的にまだ一部の人だけの謎の世界だったけど『涼宮ハルヒの憂鬱』というアニメ作品が流行って「みんなで好きなことを好きと叫ぼうぜ」みたいな空気にガラリと変えてくれたんですよ。私も『ハルヒ』を観て歌うことが好きになって、デジ絵を勉強するようになったから、ハルヒと綾ちゃんが私に革命をくれたんです。ブームでどんどん忙しくなる中でも綾ちゃんは変わらずに、スープ春雨を食べながら仕事をしていたのを覚えています。

平野 食べてた!  翔子ちゃんが持っているものってずっと変わっていなくて、それに時代が追いついたという感覚がありました。多分、翔子ちゃんみたいに思っていたアニメファンの人たちはすごくいっぱいいたと思うんですよ。そういう気持ちをアウトプットしていいんだと翔子ちゃんが見せてくれた。今だからこそいろんなタレントさんが「アニメが好き」と話しているけど、私が『ハルヒ』でブレイクしてテレビに出たときは「何それ? 知らない」みたいに言われたこともあって。翔子ちゃんが好きと言い続けてくれた積み重ねで、今があるんだなと思う。それに翔子ちゃんが最近やっているYouTubeとかでも嘘がなくて自分の言葉で話してくれるから、これだけ信頼できるタレントさんってなかなかいないですよね。

中川 あ~~!(と喜びを噛みしめる)。私は好きなことを好きと言うことが幸せで、それでお仕事をできているのが嬉しいけど、「何をやっている人なの?」とよく言われるんだよね。綾ちゃんはお芝居で周りに有無を言わせない強さがあるけど、私は自分に自信を持てないまま「どうせ私なんて」みたいな呪いをかけちゃう癖がずっとあって。でも綾ちゃんの曲の歌詞「あたしなら大丈夫 叶えられるもっと」(MonStAR)、「ここで終わる私なら きっとここまで来れなかった」(RIOT GIRL)とかが「そうだよね」と思わせてくれるの。そこが私が一番違うと感じるところかも。「これで行くんだよ!」とビシッと進んでいく、綾ちゃんのダイヤモンドの剣みたいなところに憧れているんです。