ストリートライブ1000回を達成できた理由

 路上で音楽を披露すること自体は、現在のほうがアマチュアのミュージシャンたちにとって優しい環境になっているようだ。しかし、そもそも「知らない人たちの前で、生演奏を行い、歌を披露する」こと自体のハードルが高く、その一歩を踏み出す勇気をもてない人も多いだろう。「川嶋さんは緊張しなかったのか?」とたずねると、ストリートライブを始めた当初を振り返った川嶋さんがはにかんだ。

「間違いだらけでボロボロでした(笑)。ボロボロでもずっと1000回やってたような気がします。今も未完成なんですけど、ピアノもままならないし、歌もひどい。でもやる、みたいな。その積み重ねでしたね。恥ずかしいし、今日もまた失敗したな、みたいな。それで練習すればいいんですけど、帰ってきて疲れてすぐ寝る。翌日またすぐ間違える。 そういうひどい演奏の繰り返しでした。

 でも、そういう自分にめげてたら1000回なんていけないんですよね。1回1回が戦いっていう感じです。間違えてもとにかく“行かなきゃ、歌わなきゃ”という感じでした」

川嶋あい 撮影/桜井恒二

 ストリートライブ1000回を達成するために、自分自身を𠮟咤激励して行動し続けた川嶋さん。その勇気が彼女をプロとして押し上げ、「THE CHANGE」をもたらしたのだろう。