音楽業界はサブスク全盛……川嶋あいは何を思う?

 2023年現在は、音楽もSNSやサブスクリプションなどを通じたデータのやり取りが主流だ。20年、アーティストとして活躍してきた川嶋さんは音楽を取り巻くそんな世界についてどう考えるのか。

「憂いが7割ぐらいですかね。あとの3割は、自分もサブスクで気軽に色んな方の曲を検索して聞いてるので。

 ただ私は、CDをわざわざショップに買いに行って、歌詞カードと曲を照らし合わせながら、じっくり対峙して聞く時代を生きてきたので、今のサブスク世代の若者に“こういうふうに音楽を聞いてほしいな”という意味での憂いはあります。

 ただ、いい音楽というのは、どこで聞いてもどれだけ時代が進化しても不変なんですよね。そこは変わらない。 聞き方はこの先も変化するかもしれないですけど、“本物はどこに咲いたとしてもみんな見過ごさない”という気持ちもあります。たった一輪の小さな花でも、本物はやっぱり違います。みんなそこはちゃんと見抜いてると思いますよ」
 
 路上で1000回歌い続けた“本物”の言うことは重みがある。


(取材・文・撮影:桜井恒ニ)

■川嶋あい(かわしま・あい)
1986年2月21日生。福岡県出身。2003年に音楽ユニットI WiSHのボーカルaiとしてプロデビュー。恋愛バラエティー番組『あいのり』(フジテレビ系)の主題歌であるデビューシングル「明日への扉」は90万枚超を売り上げた。2005年に路上ライブ1000回を達成。透き通るような声で人気を博し、「路上の天使」と呼ばれた。その後、川嶋あい名義でも精力的に活動。チャリティー活動にも取り組む。2023年5月26日に、毎年開催していた8月20日のワンマンライブを終了することを公表した。