骨折してもアルバム作成、まだまだやりたいことが
今も、ライブやプロデュース業でスケジュールがぎっしりと埋まっている。忙しすぎて、疲れてしまうことはないのだろうか。
「もっとパーって曲ができたら、忙しくないんだろうけど。思ったよりも簡単にはできないからね。それでスケジュールも忙しいのかもしれない。去年の元旦に指の骨を折っちゃったんですよ。骨折しながら『Crystal-Rainbow』のアルバムを制作したんです。サンプリングもほぼ指で弾いてできるようにした。これも新しい発見でしたね。
だから引退の仕方がわからないって言っているんです。自分で歌うし、ライブもやる。歌詞も書くし、編曲もするじゃないですか。たとえば、声が出なくなったら歌うのは止めるかもしれないけど、楽曲は作れますよね。去年みたいに指を折っても、いろんな機器があるからできる。あとは目が見えなくなったらどうしようかなってくらいですね。それくらい、まだまだやることがいっぱいあるんですよ! 」
最後に、これからやってみたいことを質問してみた。
「死ぬまでに、バラードで大ヒット曲を作ってみたいです。あとはテディー・ライリーの『ニュージャックスウィング』のような、トラックに使われるリズムの名前になってみたい。
新しいものを作っても変にならないというのは、やっぱりすごいことなんですね。個性を作るために人と違うことをやっても、変だったらダメじゃないですか。やっぱりそこでこれからのスタンダードになるくらいにならないと。そうしたらすごい人って言われるんでしょうね」
取材終わりに、付け足すように「今は医療も進化している、このまま100歳ぐらいまで歌っていそうだねって、周りから言われるんです」と笑顔を見せた。
えむしーえーてぃー
北海道札幌市出身。シンガー・ラッパー、作詞・作曲家、音楽プロデューサー。大学在学中からオリジナル曲でライヴを始め、数多くのコンテストで入賞。1993年、m.c.A・Tとしてavex traxより『Bomb A Head! 』でデビュー。以来、数々のヒット・チューンを生みだす。DA PUMP、AAA、屋良朝幸など多くのアーティストに楽曲を提供。近年も自身のライブや、アーティストへの楽曲提供、プロデュースなど精力的に活動している。