バランスのよい長身から圧倒的なオーラを放つ、俳優の渡辺大。40歳になったばかりの現在、ドラマ、映画のほか舞台にも活動の幅を広げている。精力的に活躍する俳優としての顔のほか、俳優の渡辺謙、モデル、女優として活躍するを家族に持つという一面でも知られている。そんな渡辺さんのTHE CHANGEとは。【第5回/全5回】

渡辺大 撮影/冨田望

 近年、ドラマ出演が後を絶たない俳優の渡辺大さん。10代から20代前半は「オーディションにまったく受からないし、オーディションすら少なくなった」という辛酸を舐め、20代半ばになると、なぜか学生役をやることが多くなったという。「20代半ばくらいまで学生服を着ていましたからね」と、茶目っ気たっぷりに話す。

ーー林遣都さん主演の映画『バッテリー』(2006年)もそうですね。

「遣都のライバルチームのメンバーで、20代半ばで中学生役ですからね、わりとムリがありました(笑)。遣都は年相応でしたが、僕もそうだし、僕の相棒役も24歳くらいだったし。映画『偉大なる、しゅららぼん』(2014年)でも学生服を着させていただきました」

 20代は「青春モードだった」が、30代で役柄のポジションががらりと変わったことを実感した。

「主役に相対する立場や犯人をやるにしても、それまでよりも悪さや残忍さが出たかな、と感じました。20代ではあまり出てこなかった感情ですが、30代になってから役として残忍なことが平気で思えるようになりましたね」