「“平岡、もっと勉強しろ”って言われたんです」

 特に共演シーンが多かった桜井日奈子さんとは、

「当時サッカーのワールドカップが放送中だったので、その話をしながら、徐々に距離を縮めていきました」

 と話す。

「桜井さんはずっと感情的なシーンが多かったんですね。20歳ぐらいから30歳ぐらいまでを演じるんのですが、感情のコントロールがすごく大変そうだったので、なるべく彼女が感情移入しやすいように、現場でも会話をしながら“安心していいんだよ”という雰囲気づくりをこころがけました」

 周りにも、常に気を配る姿勢が貫かれていることを、改めて実感させられた。

 この作品で、ある企業の社長を演じた平岡さんは「起業にはすごく憧れがある」と話し、俳優業と照らし合わせ、その共通点について話してくれた。

「やっぱり0から1にする人、しかも成功する人というのは、その中でも本当に数パーセントの人だと思うので、かっこいいですよね。自分自身も、起業家の皆さんのように、常に行動することとか、動く、みたいなことは気をつけていいますね。

 俳優の世界も、立ち止まったら置いていかれる、ちょっと安心してしまうとすぐ転落してしまう、と考えているので」

 順風満帆に見える平岡さんの経歴からは想像できない発言に驚きを隠せないでいると、かつて出演した作品で、俳優の大先輩に言われた言葉を教えてくれた。

「“平岡、もっと勉強しろ”って言われたんです。その言葉は、自分の中でずっと引っかかっていて。引っかかる、ということは、たぶん勉強が足りてないんだろうな、と思いました。それからはいろいろな作品を観たり、自分の知らないことを吸収しようとしたり、常に“勉強しよう”と思っています」

 どんな状況でも常に何かを吸収しつづけ、自分を高めていく姿勢を勝ち得た「THE CHANGE」は、今後も平岡さんの新たな魅力を引き出してくれることだろう。

■プロフィール 
ひらおか ゆうた
1984年9月1日生、 山口県出身。02年に第15回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。09年にドラマ『ゴッドハンド輝』で連続ドラマ初主演を務め、10年に『龍馬伝』でNHK大河ドラマ、16年に連続テレビ小説べっぴんさん』で朝ドラに出演。17年にはTBS月曜名作劇場『内田康夫サスペンス 新・浅見光彦シリーズ』で4代目・浅見光彦を務めるなど活躍を続ける。今年は映画『魔女の香水』に出演するほか、公私ともに親しいポルノグラフィティのギタリスト・新藤晴一が手掛けるミュージカル『ヴァグラント』への出演も決定しており、映画、ドラマ、舞台など多岐にわたり様々な作品に出演する。

映画『魔女の香水』
監督・脚本:宮武由衣 製作統括:菅原智美 音楽:小林洋平
主題歌:川崎鷹也「オレンジ」(ワーナーミュージック・ジャパン)
企画:358プロジェクト
出演:黒木瞳、桜井日奈子、平岡祐太、水沢エレナ、小出恵介、落合モトキ、川崎鷹也、梅宮万紗子、宮尾俊太郎、小西真奈美
配給:アーク・エンタテインメント 6月16日(金)より全国公開

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