ある日突然、自分が選ばれると分かっちゃった

ーーそして見事合格。

「オーディションの機会が多い台北にある大学に合格できました。そんな高3の冬に、『AKB48台湾オーディション』が発表されたんです。応募締切は受験が終わった直後。“これは運命だ!”と感じました」

ーー応募総数2000以上で、5月から審査が始まって。

「はい。8月に最終の17人に入れましたが、オーディションは終わらず、レッスンが始まりました。周りを見るとダンスがすごい子、歌がうまい子、日本語ペラペラな子がいて、“選ばれることは絶対ないな”と思いました。でも、諦める理由もないし“将来AKB48に入る子と一緒にレッスンできるんだ♪”というオタク心もあって続けていました。そしたら、ある日突然、自分が選ばれると分かっちゃったんですよ」

ーーいったい、何があったんですか?

「何もないんです。スタッフさんの態度が変わったわけでもないし。でも、なんだかピンと来ました。そして予感通り“加入する人が決まりました”と私一人の名前が呼ばれました」

ーー直感ですね! それで単身来日することになったんですか?

「はい。心細くて泣きました。喜びよりも不安が勝りました」

(つづく)

真楪伶(まちゃりん)
1996年12月21日、台湾生まれ。2015年「AKB48 台湾オーディション」に合格しデビュー。18年『ジャーバージャ』で初選抜に選ばれる。24年2月にAKB48から卒業、馬嘉伶から真楪伶に改名。女優、モデルの他、アパレルデザインなど幅広く活躍する。