毎回少しずつハードルを上げた役をくれた

 仕事に恵まれず、方向性を失っていたという中で、飛び込んだ舞台の世界。人生のターニングポイントとなった。

「仕事はないし、結婚まで考えてた彼女に振られて(笑)、どうにもならない時期に出会った大きな作品。ちなみに、その後の僕の出演舞台は9割ぐらい、その酒井プロデューサーがオファーしてくれた作品で、“今度のこれはすごく難しい役だけど、今の君はこれができなきゃ駄目だからやってみなさい”って、毎回ちょっとずつ僕にハードルを上げた役をくれた人なんです。だからこの方に育てられたというか、この方との出会いがなければどうなっていたか、と思います」

 芸能人生の中でも苦しい時期に出会えた名プロデューサー。太川陽介さんにとって舞台という大事な足場を見出した「CHANGE」だった。

 太川陽介さんの芸名は「太陽」から来たものだという。テレビの司会、バラエティのレポーター、そして俳優。どのフィールドでも太川さんが積み重ねた実績は大きく、大御所といってもいい存在だが、数々のエピソードを語る姿は明るく、常に笑いを交えて語ってくれる軽やかさがある。「ツキがある」と語る太川さんだが、この“陽”のスタンスが、そのツキを呼びよせているのではないだろうか、と改めて感じさせられた。

太川陽介(たがわ・ようすけ)
1959年1月13日、京都府生まれ。A型。T171㎝。1976年「陽だまりの中で」でレコードデビュー。翌1977年、3曲目の「Lui-Lui」が大ヒット、同年暮れの第19回日本レコード大賞を初め、各音楽大賞の新人賞を獲得。1978年よりNHK総合「レッツゴーヤング」の司会を務める。その後、主に舞台を中心に俳優、タレント、ラジオパーソナリティなど活動の場を広げ、2007年10月にスタートした『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(通称「バス旅」)ではリーダーとして一行の取りまとめ役を担い、人気を博す。現在では2024年に始めた自身のYouTubeでもバス旅企画を行っている。

【作品情報】
トム・プロジェクト30周年記念公演 第三弾
『おばぁとラッパのサンマ裁判』
【作】古川健 【演出】日澤雄介
【出演】 柴田理恵 太川陽介 鳥山昌克 森川由樹 大和田獏
2025年2月3日(月)~2月9日(日) 紀伊国屋ホール
https://www.tomproject.com/peformance/sanma.html
主催:トム・プロジェクト
【協力】
ワハハ本舗 サンミュージック 劇団チョコレートケーキ
シアター・ブレーン catSSound アトリエ藍 マハロ 高津装飾美術