哀しみとの向き合い方について思うこと
そして、今年1月17日公開の最新出演作『君の忘れ方』では、主人公・昴(坂東龍汰)の亡くなった恋人・美紀を演じる。大切な人の喪失からの再生を描いたヒューマンドラマだ。
「今回初めてグリーフケアというものを知りました。そういう場所で自分の気持ちを吐き出したり、語ったりすることで哀しみを癒す方がいらっしゃると思いますし、逆に全然そうではないという方も、そこで無理して見つけたり探し出さなくても良いのではないかと思いました。ふいに“あっ、これかも!”と思えるぐらいでも良いのかと感じました。やっぱり、哀しみとの向き合い方というのは、人それぞれの良いカタチというのがあると思いますし、そんなことをこの映画から汲み取っていただけたら嬉しいです」
恋人を失った主人公の昴の哀しい気持ちは誰もが理解できる感情である。大切な人を失った時に感じる哀しみと向き合うということはとても辛いことで、それを正面から描いていている部分では重たく繊細なテーマを内包している本作ではあるが、故にこそ共感できる(感情移入し易い)。本作で演じた“幻影”という新たな役柄で、俳優としての階段をまたひとつ昇ったのかもしれない。
俳優として着実にキャリアを積む西野さん、最近は仕事への向き合い方にも変化があったという。
(つづく)
西野七瀬(にしの・ななせ)
1994年5月25日生まれ、大阪府出身。O型。T159㎝。2011 年にアイドルグループ「乃⽊坂 46」のメンバーとしてキャリアをスタート。18 年にグループを卒業後、本格的に俳優として活動。ドラマ『あなたの番です』(19)での演技で注⽬を集め、その後も数々のドラマや映画に出演。主な出演映画に、『あさひなぐ』(17)、『シン・仮⾯ライダー』(23)、『ある閉ざされた雪の⼭荘で』(24)、『52 ヘルツのクジラたち』(24)、『帰ってきた あぶない刑事』(24)など。『孤狼の血 LEVEL2』(21)では⽇本アカデミー賞優秀助演⼥優賞と新⼈俳優賞を受賞し、『恋は光』(22)でヨコハマ映画祭最優秀新⼈賞を受賞。公開待機作に髙橋文哉とW主演を務める『少年と⽝』(3月20日公開予定)がある。
【作品情報】
映画『君の忘れ方』
出演:坂東龍汰 西野七瀬 円井わん 小久保寿人 森優作 秋本奈緒美 津田寛治 岡田義徳 風間杜夫(友情出演) 南 果歩
監督・脚本:作道 雄
原案:⼀条真也『愛する⼈を亡くした⼈へ』(現代書林・PHP 文庫)
1月17日(金)より全国公開
配給:ラビットハウス
(c)「君の忘れ方」製作委員会 2024
https://kiminowasurekata.com/