3つ目のCHANGEとして挙げた名前
”暗黒期”と語る佐藤さんの20代は、大学卒業後にリクルートに入社するも、入社式の日に辞めてしまうところからスタートする。その後、俳優の研究所に2年間で2か所入所するも、俳優の道を諦めて広告代理店に入社。しかし、2年後にまた芝居欲がうずき、演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げした。
佐藤「ピンポン玉みたいにあちこち行ってね。27、28歳の頃です。そしてその後、演出家の鈴木裕美に出会ったことが、2つ目の”CHANGE”です。
裕美さんが演出する舞台に出たら、それを堤幸彦が見に来ていて。それをきっかけに本木雅弘さん主演のドラマ『ブラック・ジャックII』(TBS系)の1シーンに、医者Aとして使ってくれたんです。
当然、本木さんの事務所の社長はドラマを観るじゃないですか。そうしたら“医者A、こいつは誰だ?”となって呼んでくれた。それが今の事務所です」
ーーたて続けに好転したんですね。
佐藤「しばらくしたら、バイトをしなくても食えるようになりました。当時の社長・小口健二は“君はどこへ行っても売れるけど、うちに来たら少しだけ近道を照らしてあげるよ”と言われたんですよ。そんな事務所の入り方、誰に言っても“そんなアメリカンドリームみたいなことあるの!?”と言われます」
そして3つ目、「やっぱりアレですね」と前置きしつつ、福田雄一さんの名前をあげる。『勇者ヨシヒコシリーズ』(11年、テレビ東京系)から『今日から俺は!!』(18年、日本テレビ系)まで、多くの監督作品に出演している常連で、佐藤さんは同じく常連のムロツヨシさんとともに”福田組の風神・雷神”との異名も持つ。
なかでも、『勇者ヨシヒコシリーズ』での仏役は、視聴者のみならず、演者をも耐えきれず笑わせてしまうような言い間違い、素の佐藤さんが覗くような芝居を見せる。しかし、そこには重大な秘密がーー。