THE RAMPAGEの吉野北人。アーティストとしてはもちろん、俳優としても活躍が続いている。この度公開の主演映画『遺書、公開。』では、主人公らしからぬ地味な高校生役に挑戦し、THE RAMPAGEとしても主題歌『Drown Out The Noise』を歌い上げる。音楽・映画・テレビ……と、常に表現の場に立ち続けてきた、吉野の人生におけるCHANGEとは。【第1回/全3回】

吉野北人 撮影/有坂政晴 ヘアメイク/大木利保(CONTINUE) スタイリスト/吉田ケイスケ

 ノーブルからアウトローまで、演技でも存在感を放つ吉野の魅力は、やはり“目力”だろうか。こちらに視線を向けると、とたんに場が引き締まって凛(りん)とした空気になる。そして低音ながら透明感ある声色にも、オーラを感じる。

『遺書、公開。』は、陽東太郎氏の同名コミックが原作。ある日、私立灰嶺(かいれい)学園2年D組に、生徒24人と担任教師を1位から25位までの「序列」付けしたメッセージが届く。吉野が演じる池永柊夜は19位。順位だけでなく、座席も通路側の後列という、なんとも地味なポジションにいた。

「絶妙な順位ですよね。クラスの中で目立ったキャラの持ち主でもなくて、常にスクリーンの中にいるわけでもないので。 だから“主演、座長なんだ”という気負いはなくて、リラックスして現場に入れました」

──そんな一見目立たない池永ですが、英勉監督は吉野さんについて「主役を背負える人」「ファーストコンタクトで絶対大丈夫だって思った」と絶賛されています。

「でも、第一印象だと、池永とは正反対に見られていたかもしれないです(笑)。(THE RAMPAGEでの)アーティストのイメージがあったと思いますし、当時はまだ金髪にしていました。本読みのときに黒髪にしていったら、安心したような表情をされていました。もしかするとライブの印象が強すぎて“本当に地味にやってくれるかな?”と思われていたかも」