モデルとしてプロフェッショナルだからこそ、周囲のプロたちを信じていた
インタビュー当日も、取材ルームに入るやいなや鏡の前に立ち、鮮やかな手つきでウィッグをつけ入念にチェックを始めた。「ちょうどお気に入りのウィッグをメンテナンスに出しているの。ちょっとキマらないけど許してね」と笑う横顔が、実にチャーミングだった。
「モデルの仕事を始めてみると、もともとファッションは好きだったので、服を着て写真を撮られることは意外にイヤじゃないなって。ただ、“どうして(私の)この写真が表紙になるんだろう?”って不思議に思うことも結構ありましたね」

「当時のモデルさんは、自分から“この写真を使ってください”と自己主張する方が多かったですが、私は自分の選択に自信がなかったし、もともと人の眼のほうが正しいという考え方なのでお任せしていました。
やはり、当時の編集長をはじめ編集者の方やライターさんのほうが、世間が求めているものを分かっていると思っていたんですよ。私が着たアイテムが“完売になったよ”と言われると、自分が雑誌やブランドの役に立つことができたのかなと感じられて嬉しくなりました。だって、モデルって自分をきれいに見せるんじゃなく、モノをすてきに見せるのが役目ですから」