1990年代、人気ファッション雑誌『JJ』の専属モデルとして華麗に活躍した梅宮アンナさん(以下、アンナさん)。昭和のスター俳優・梅宮辰夫氏とモデル出身のクラウディアさんが両親という、いまで言うところの生粋のセレブリティだ。
 人目を惹(ひ)きつける天性の魅力を備えたアンナさんは、プライベートも注目を集め、特に恋愛遍歴で世間をにぎわせた。タレントとして活動を続ける中、2024年、ステージ3Aの乳がんにかかっていることが発覚。同年8月に公表し、11月に手術を受けた。そうした貴重な経験談をカンファレンスなどで話すほか、SNSでも赤裸々に思いを吐露し、多くの共感を集めている。激動の人生を歩み続けるアンナさんの“THE CHANGE”に迫った。【第1回/全5回】

梅宮アンナ 撮影/曳野若菜

 名優・梅宮辰夫氏と米国出身モデルの母から産まれた梅宮アンナさんは、いわばハーフモデルの先駆の一人。幼いころから人目を惹(ひ)きつける容姿に恵まれ、街を歩けば芸能事務所のスカウトから声をかけられたそうだ。

 雑誌モデルとして活動を始めると、彼女が着用したアイテムが飛ぶように売れたという伝説も。しかしながら、当時を振り返ったアンナさんは「まったく自分に自信が持てなかった」と、眩しい光を見たかのように目を細めた。

「中学1年生くらいになると、街中でスカウトされることが増えました。母がモデルだったこともあり海外のファッション誌『VOGUE』などをよく見ていましたし、モデルという仕事はわりと身近でしたね。
 ただ、憧れる気持ちはなくて。バブルだったあのころ、世の中が浮足立っていたし、そうしたキラキラした世界に自分は向いてないと思っていたんです。というのも、私はずっと自分に自信がなく、人前に出るのが苦手なタイプ。大勢では真ん中にいると疲れてしまい、はじっこのほうが安心できるんです」