「梅宮の娘で心からよかった」時を経て、改めて感じる感謝の気持ち

「ただ、母は私とは違う価値観なので、いつも体当たりの恋愛ばかりしている私が、心配だったんでしょうね。“お金持ちじゃない男性とは口をきいちゃダメ”ってしょっちゅう言ってました(笑)。親としては精神的にも経済的にも苦労してほしくないと思うのは当たり前のこと。
 いろいろな経験をして、人一倍いろいろな感情にも出合ってきたと思います。別れるときはやっぱりすごく苦しいし、私は“傷”と呼んでいるんですが、3年付き合えば吹っ切れるまで3年、5年付き合ったら同じだけ、傷が治るまでに時間が必要になります」

梅宮アンナ 撮影/曳野若菜

「でも、傷はいつか治るものだし、傷つかないと人の心の痛みって分からない。そうやって痛みを知ったからこそ、“いまがよければ昔もよくなってくる”って考えられるようにもなりました。
 どれだけ苦しい恋愛をしていても、最後には自分を守り大事にできたのは、父のおかげだと思います。父はすべてに対してすごく愛情深い人で、その愛をたくさん注いでもらいましたから、どれだけ脱線しても本来の自分に還る力が身についていたのかなって。梅宮の娘で心からよかったなと思いますね」

(つづく)

梅宮アンナ(うめみや・あんな)
1972年8月20日生まれ、東京都出身。1990年代以降、ファッション誌『JJ』のモデルとして活躍し、テレビを中心にタレントとしても注目を集める。俳優・梅宮辰夫とアメリカ出身の元モデル・クラウディアの娘として知られ、その個性あふれる発言や包み隠さないスタイルで話題に。2024年には浸潤性小葉がんのり患を公表し、思いや経験を積極的に発信。現在はメディア出演や執筆活動を中心に活動。一貫した信念を持ち続けて歩み続ける姿勢が、多くの共感と支持を得ている。