自身の発信を通して届けたい思い
「私のつたない発信を見て“アンナちゃんも痛いんだ”と、ちょっと安心できたりすることもあると思うんです。手術して体を切って、傷ができて……、痛みってすごく個人的だけど、とてもつらいことだから、誰かと共有、共感できるとホッするんですよ。
いまでは、病院に行くといろいろな方から声をかけていただくようになりました。“私も乳がんで、今日退院します”とお話してくれた女性もいて、“じゃあ、私の方が先輩だね”と言って笑い合ったり。SNSで、そうした心の交流ができるのがすごく楽しいし、私自身も励まされるんです」
SNS上での赤裸々な告白や実体験を伴う情報発信は、がんサバイバーはもちろん、大切な人が病と向き合っている家族にとって、どれほど力になっていることだろうか。
「実際に経験した人じゃないと分からないことってたくさんあるから、試行錯誤しながら自分が思ったことや体験したことをどんどん共有しています。
例えば、手術後に普通の下着が痛くて付けらなくてすごく困ったことを素直に発信すると、その痛みに共感してくれる人がたくさんいたんです。さらに、術後用のブラジャーの情報を教えてくれたり、実物をお送りくださる方もいらっしゃいました。痛い思いをされた方だからこそできる、ものづくりってあるんだなと思いましたね」
