「この人の代表作といえば?」と聞かれたら、ある人は大河ドラマ『風林火山』で演じた軍師・山本勘助や、ドラマ『JIN-仁-』の坂本龍馬、はたまた『きのう何食べた?』の矢吹賢二(通称・ケンジ)など、人によって挙げる作品や役名がこれだけ多岐にわたる役者もそういないだろう。豪快で型破りな人物から、繊細さを秘めた役柄まで、徹底した役作りと演技力で巧みに演じているのが、俳優・内野聖陽さん(56)だ。

内野聖陽 撮影/冨田望 スタイリスト/中川原寛(CaNN) ヘアメイク/佐藤裕子

 早稲田大学在学中に文学座附属演劇研究所に入所。デビュー後は、映画や舞台、ドラマなど幅広く活躍し、学問や芸術といった領域で功績を残した人に贈られる「紫綬褒章」をはじめ、多くの演劇賞を受賞している。30年以上を役者として歩んできた内野さんに、最近起こった変化とは?【第4回/全4回】

 役者デビューしてから30年以上、常に第一線で活躍している内野聖陽さん。そんな内野さんに最近おこった「CHANGE」を聞くと、意外な(?)かわいらしい一面がみえた。

――媒体名の“THE CHANGE”にかけまして、最近内野さんにおきた変化があれば、ぜひ教えてください。

「変化というよりも“気づき”になるのですが、メダカは横から見るよりも上から見た方がいいんだなということに、最近気がつきました」

――私はメダカをあまり上から見たことがないのですが、どんな良さがあるのでしょう?

「普通のメダカにはうろこってあまりないと思うんだけど、うちで飼っている“幹之(みゆき)メダカ”という種類のメダカは、真っ白で背中にキラキラとラメみたいに光るうろこが見えるんですよ。それは横から見ていたんじゃ気がつかないし、楽しめない。上から見たときに“うわ、キレイだな”って思うんです。

 それを見たいから、今は上から餌をやるのが楽しくて! “幹之メダカ”は横から見るよりも上から見るメダカなんだと、最近気づきました。本当にしょうもないCHANGEなんですが(苦笑)」

――メダカは何年くらい前から飼っているのですか?

「最初は熱帯魚を飼っていたんですけど、お世話が結構大変なんです。でも、メダカは割とほったらかしでも大丈夫なんですよ。なので、いつの間にかメダカに変わっていました。ブランドメダカって結構いろいろな種類がいるようなので、きっとほかにもまだ知らないメダカがいそうですよね。

 僕は役者って熱帯魚みたいなものだと思っているんです。光をあてられて、芝居をする場所を与えられて、自分たちが演じたものをみなさんに鑑賞されているようなところが、ちょっと似ているなと思います」