いま内野さんが感じる「お芝居をする楽しさや醍醐味」

――そんな内野さんが、今お芝居をする楽しさや醍醐味をどんなところに感じていますか?
「そもそもお芝居って、フィクションの中でのコミュニケーションなので、そのコミュニケーションが自由自在だと、演じていて非常に楽しいんです。相手によって変わることができることが一番楽しいところなので、そのセッションができる相手とのお芝居はとても楽しいですね。
それに、見ている方もその場で実際に起こっている瞬間が一番楽しいと感じるんですよね。なので、お芝居も自由なセッションができる状態が楽しいし、逆にそれができないと、ひとり芝居をしているようになってしまうから辛いんです。だから柔軟に対応できる人とやるお芝居は楽しいし、自分自身も相手によって変われる役者でありたいということはいつも思っています」
芝居や作品の話をするときは熱く真剣に、ときに鋭い眼差しもみせていたが、メダカのことを話す表情は柔らかく、照れくさそうに語る内野さん。取材の最後に、動画撮影をお願いすると「恥ずかしいからみんなこっち見ないで!」と言って、周囲のスタッフたちの笑いを誘った。どんな役柄も自分のものとしてしまう役者魂の持ち主・内野聖陽さんの新たな一面を見せてもらった気がする。
取材・文/根津香菜子
うちの・せいよう
1968年生まれ、神奈川県出身。NHKのドラマ「街角」でデビュー。2021年に紫綬褒章を受賞。近年の主な出演作に、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」、「ブラックペアン2」(TBS系)、映画「春画先生」、「八犬伝」、「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」、舞台「芭蕉通夜舟」がある。
作品情報
『ゴールドサンセット』2月23日(日・祝)放送・配信スタート
毎週日曜22時※第1話無料放送(全6話)
出演:内野聖陽、小林聡美、中島裕翔、三浦透子、毎田暖乃/和久井映見
坂井真紀、六平直政、安藤玉恵、有薗芳記、津嘉山正種、益岡徹/風吹ジュン
原作:白尾悠「ゴールドサンセット」(小学館刊)
脚本:大森寿美男
監督:大森寿美男 清水勇気Ⓒ白尾悠/小学館 ⓒ2025 WOWOW INC.