NHKの『おかあさんといっしょ』は、昭和34年から令和の現在に至るまで小さな子どもたちから圧倒的な支持を得る大人気テレビ番組。そして、「うたのおねえさん」は、子どもたちが初めて出会う憧れの存在である。第21代「うたのおねえさん」小野あつこに訪れた、何度もTHE CHANGEとはーー。【第2回/全3回】

初の平成生まれ「うたのおねえさん」となった小野あつこは、平成3年に3人姉弟の長女として生まれた。
4歳で始めたピアノに夢中になり、「おとなになったらピアノの先生になりたい」と、中学生のときには音楽高校への進学を決めた。
「ピアノが大好だから選んだ進路でしたけど、受験勉強をしているときも、まだ少し悩んでいました。同級生の中で、音楽高校を受けるのはわたしだけ。みんなとは違う受験勉強をしていることに孤独感があったし、ずっとみんなと一緒に勉強してきたのに、たったひとりで音楽のライバルたちが集まる学校へ入ってやっていけるのだろうかという不安もありました」
見事、難関の東京都立芸術高等学校音楽科のピアノ専攻へと進学したが、ここで彼女は壁にぶつかる。
「ピアノをやっていく自信がなくなったんです」