6歳なのに声変わり!?

 幼稚園はミッション系で、土曜日にヤマハの音楽教室が開かれていた。そこで2年間オルガンを続けたという。

「あの頃は一番お友達と一緒に遊びたい盛りでもあったのでサボろうとして母に見つかって“行きなさい”って怒られたこともありました(笑)。“自分でやると決めたんだから、途中で辞めないって言ったでしょと……。でも、そのお陰で自主性が育ったと思うので、いまは母には感謝しています。最初は50人ほどいた生徒が、次々と辞めていって2年が経つ頃には5、6人ぐらいしか残っていなかったので子供ながらに途中で辞めなくて良かったと達成感がありました」

 しかし、6歳の時にトラブルに見舞われた。

「コールユーブンゲンといって、オルガン教室で楽譜を見て歌うというレッスンがあって、積極的に手を挙げてハイトーンで歌っていたら、突然高い音が出なくなったんです。たぶん声を出し過ぎちゃったんでしょうね。C♯、つまりドの半音上が出なくなったです。それがすごくショックで。6歳なのに声変わりしてしまって、“もう歌手は無理かもしれない”って勝手に思い込んでしまったんです。近所の病院の売店のおばちゃんに、その時の自分の胸中を思いのままに話したら、“青江三奈さんとか八代亜紀さんとか、そういうハスキーな声でも良い歌手はいっぱいいるよ”って励まされて。まだ諦めなくても良いんだっていう気持ちになったんです。それからは歌うこともですけど、それ以上に楽器も楽しもうという思いが強くなりました」

 売店のおばちゃんの「ハスキーな声の歌手はいっぱいいる」という言葉を励みに歌手への夢を抱き続けた宇徳さんは、歌にもピアノにも打ち込み、ますます音楽にのめり込んでいく。そして地元の高校卒業後に進学した短大時代、夏休みに友達と遊びに行った東京で大きな転機を迎える。芸能事務所からスカウトされたのだ。

「確かにあれは転機ですね。東京で歌舞伎を見たいというグループと原宿で買い物したいグループに分かれて、私は買い物の方に行ったんです。チームといっても買い物派は少なくて、最後は私一人になってました。それで原宿で買い物をした帰りに、ちょっと怪しい(笑)スカウトマンから名刺を渡されたんです。“化粧品、資生堂のキャンペーンがあって……”とか言われたんですけど、怖くて断っていたんです。その様子を見ていたスターダストの方に最終的にはスカウトされました」