「誹謗中傷をしてくる人」に思うことは?

 働くうちに「保育園の壁」にぶち当たったという。

「保育園は仕事量が物理的に多過ぎるんです。仕事に追われて、子どものことが全然見えていないことも。 私も病みながら仕事をしていましたが、当時の私はなぜだか子どもたちが何を考え、今どういう状態なのかがすごく分かったんです。だから頼られるんですけど、私には決定権がありません。どうしたら保育園や子どもたちの環境がもっと良くなるかと思って、四方八方に『私はこういう保育園が作りたい!』と言い続けていました。すると、一年後に出資してくださる方が見つかって、保育園を作ることができたんです」

 小阪さんが理想とした保育園とは、一体どのようなものなのか?

「今までの保育園と一番違ったのは外部と連携したことでしょうか。保育士は仕事量が多過ぎて、分かっていてもできないということがよくあります。また保育園では、保育士1人あたり5〜6人の子どもを相手にすることが定められたりしています。でも子どもは数字で測れるものじゃない。私は『ボランティアでも何でもいいから外部から人を呼べばいいのでは』と考えて、色んな人を巻き込んで環境作りをしました。私自身、名前で元芸能人だと気づかれることがよくあり、これでは保育の世界にちゃんと転身できないと考えて、『小阪由佳』から保育ネーム『小阪有花』に改名しました」

 とはいえ、元グラビアアイドル・小阪由佳が保育園を開園したという情報はインターネット上に拡散し、また誹謗中傷が始まる。

「“元アイドルが保育園を作るなんて、子どもの命が危ない”なんて言う方もいました。そして今また、芸能界にたずさわっているので、そのことに対しても悪口を書かれたりします。ですが、本当は誰しも自分の人生を生きるのに精いっぱいなはずです。そんな風に他人をバッシングしてばかりいる人は少数派だと思います。

 誹謗中傷をする人は、たまたま嫌なことがあったりとか、自分の人生が幸せではないとか、やることがなくて暇だとか。結局、外野なんですよね。

 それに誹謗中傷をしてくる人に思うんです。“あなた、今まで私のこと知らなかったか、忘れてましたよね?”と。その時たまたま自分が不機嫌で、ネットへの書き込みをストレスのはけ口にしているだけ。誹謗中傷は、それをする側の単なる条件反射的な行動に過ぎないんだと私は思います」

(取材・文・撮影:桜井恒ニ)

■プロフィール
小阪由佳(こさか・ゆか)
1985年6月27日生。神奈川県出身。04年にミスマガジングランプリを受賞。水着グラビアやバラエティー番組、ドラマ、映画、CMなどに出演。09年に芸能活動を終了。15年4月に千葉県市原市に「ウィズママ保育園」を設立。22年に元俳優の栩原楽人との結婚を公表。同時期に芸能事務所「cheer lead」を立ち上げる。