あの長寿番組に出演したときには感慨深いものが

「羽田空港に着いてからすぐ、まずは当時新宿駅東口前にあったスタジオアルタに行きました。“この奥で、いまタモ(タモリ)さんの『笑っていいとも!』(フジテレビ系)をやっているんだ”って。『いいとも』の番組冒頭にいつもアルタが映ってたじゃないですか。“ここだ!”と。東京は、テレビで見ていた場所を、直接見られる都市なんだ。“すごい”と思いました」

──分かります。最初から、東京に出て「一旗揚げてやる!」という気持ちだったのでしょうか。

「芸能の仕事をやろうとは思って、出てきました」

──ではアルタのビルを見たときも、“オレも出てやるぞ”“天下取ってやる!”という気持ちで?

「そこまではなかったです。そこから劇団に入りましたし」

──佐藤B作さん主催の「劇団東京ヴォードヴィルショー」ですね。そこで出会った山本圭壱さんと「極楽とんぼ」を結成して活動。『笑っていいとも!』に、実際にレギュラーとして出演するに至りました。

「そうですね。上京から10年ちょっとで出たときには、感慨深い感じもありましたね」

加藤浩次 撮影/有坂政晴