20代より映画、ドラマ、舞台で多彩な役を演じ続けてきた俳優・大森南朋。50代になってもなおダンディな魅力を放つ彼が、ドラマ『あなたを奪ったその日から』(カンテレ/フジテレビ系)で演じるのは、主人公から憎まれ、また自身も苦悩を抱えているという役どころ。徒手空拳のところから俳優業を始め、30年あまり芸能界で戦ってきた大森のCHANGEを聞いた。【第2回/全3回】

映画好きで、20代から俳優の道に進んだ大森。だがブレイクまでには時間がかかり、父は俳優で舞踏家、演出家として戦後のアヴァンギャルドな舞台芸術をけん引した麿赤兒。そんな環境で、自身が鍛えられた出会いがあった。
──『ハゲタカ』(NHK)などで30代からはテレビドラマでも大きな役が続きましたが、それまでもたくさんの映画に出演してきました。
「僕は初めからスター俳優のように、大きな役や話題作をいただいてきたわけではなくて。売れるとか売れないということを考えるより前に、何となく興味があるというだけでこの道に踏み出しました。
最初は音楽が好きで、10代にはバンドをやっていた。そこに父親から“役者もやってみたら”と言われたのがきっかけで、僕自身も映画が好きだったから、少しずつオーディションを受けるようになって、テレビよりも前に映画から俳優人生が始まったわけです」
