忘れられない大事な出会い
習い事の延長線上にあったものが“仕事”に。意識の変化は大きかったという。
「生粋の末っ子なので、まだまだ家族に甘えてばかりですが、そういった意識の変化があってから、これからも“役者として過ごすことになるだろうな”と思うようになったのは、15〜16歳の頃だったと思います。」
そして、その頃から数多くの作品に出演。現在も、ドラマ『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系)に出演。また、映画『かくかくしかじか』や、大橋和也さんとのW主演映画『君がトクベツ』、映画『事故物件ゾク 恐い間取り』など、次々に出演作が公開。そうした作品で多くの人と出会う中で、忘れられない大事な出会いがあったという。
「いろいろな作品に出演させていただくことで、少しずつ成長し、変化していること実感するのですが、その中でも“CHANGE”というか驚きや羨ましさのような憧れを強く感じた出会いがありました。去年作品でご一緒した事務所の先輩の川口春奈さんとの共演です。春奈さんの現場での佇まいやコミュニケーションが素敵で面白く、大好きになりました。
私自身、あまり芸能界で幅広く交友関係があるわけではないので、こんなにも面倒見のいいお姉さんが近くにいらっしゃるというのはすごく心強いですし、悩みを話せる頼もしい存在ができたことが支えになっています」
川口さんは、コミュニケーションの取り方が自然で、簡単には真似できないものだという。
「空気感もそうですし距離の縮め方や、その人のパーソナルな部分に入り込んでいくのがとても上手です。おそらく元々備わっているコミュニケーション能力だと思うので、後から身につけていくのは難しいかもしれないですが、少しでも近づけたらと思います。
春奈さんと出会ったことで、私もいつか後輩に同じようにしてあげたいなと思えるようになりました。また一つ自分も大人になれるような成長を促してくれた存在、そういう先輩に出会えたことは大きな“CHANGE”だったと思います」

出演作品が増え、役の幅も広がる中で今後への思い、演じてみたい世界はあるのだろうか。
「今は、明確に演じたい役柄があるというわけでありません。小中学生の頃はどなたかの幼少期や娘役が多く、お姉さんたちが出演している学園ドラマに憧れていたので、年齢が上がって学園ドラマに出演できた時は嬉しかったです。学園ものの次は社会人の役もいただけるようになって、その時の年齢や状況によって求められる役に向き合った結果として少しずつ幅が広がっていることを実感するので、今は“この役をやりたい”というよりは、着実に幅広く演じられるようになりたいという思いが強いです。」
キャリアを一つずつ重ね、快進撃を続ける“芸歴22年の23歳”はそれでも軽やかに答える。
「極論を言うと、私は流れに乗っているだけで、順調に見えるとしたらそれは周りの皆さんのおかげです。これからもどんな役も演じてみたいし、なんでもやりますという感じです。だから、何がやりたいかの答えは“何でもやりたい”、になりますね」
畑芽育(はた・めい)
2002年4月10日 生まれ。東京都出身。T 152cm。 O型。1歳のころから芸能活動を始め、数々の映画やドラマに出演。2023年公開の映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』でヒロインを演じ、同年、『最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~』で、地上波連続ドラマ初主演を果たす。最新作はW主演を務める映画『君がトクベツ』(公開中)。待機作に映画『事故物件ゾク 恐い間取り』(7月25日公開)がある。