2022年2月はまだ土木作業していました

ーーアルバイトをしなくなったのはいつ頃ですか?

「2022年2月はまだ、真空ジェシカの川北(茂澄)くんとモグライダーともしげくんと土木作業してました」

ーーみなさん同じ現場だったんですね。

「はい。川北くんなんて暗くて、いつも休憩時間に体育座りして。僕ネタ見たことなかったんけど、今やから言うんですけど、ウケないだろうなって思ってました。めっちゃ暗いんですよ。ともしげくんはあのままなんです。アホなふりは嘘やろうなと思ってたんですよ。ほんだら、作業初日に、来ないんですよ。LINEで“もう着いてる”つって。“よろしくお願いします”って。探しにいったんですよ。ほんだら、隣の作業場で朝の体操してました」

ーー期待を裏切らないですね。

「嬉しかったですね。ほんまもんなんやなと思って。いるんですよ、“俺がこうきたらこうせいよ”ってがっつり言ってるアホなふりしてる人って。ともしげくんもそういう人かと思ったら、本物だった。川北くんは一緒に穴掘ってて、カブトムシの幼虫、かわいそうやからっつって、バケツに避けて“大城さん、あとでどこかに埋めてあげましょう”って」

ーー優しい……!

「優しいけど、次の仕事なにすんやろうなあって。ほんまに暗いんですよ。だからたぶん頭の中でいろんなこと考えてたんやろうな。Rー1終わったら隣のスタジオで収録してたみたいで、川北くん、握手してくれて嬉しかったですね」

 ちなみにこの現場、「ここで働いたら売れる」というジンクスが誕生し、志の高い芸人や俳優が集っているという。

ーー真空ジェシカもモグライダーも2021年のM-1グランプリで躍進していますもんね。

「親方が泣いてましたからね。作業終わって、親方に“居酒屋でも行くか”って言われてもう1人と言って、“これから発表があります”って、みんなで携帯見てたら、“真空ジェシカー!”って決勝進出で呼ばれて。親方泣いてたんです。僕も、昨日一昨日一緒に穴掘ってたやつがM-1の決勝に行くんやと思って、すごいなあ、とんでもないなあ、思って」

  当のチャンス大城さんも今年、Rー1グランプリの決勝に初進出した。幸運をもたらす現場のジンクスが、さらに真実味を帯び出したのではないだろうか。

チャンス大城(ちゃんす・おおしろ)
1975年1月22日生まれ、兵庫県出身。14歳のときに、1歳サバを読みNSC大阪校8期生として入学するものちに中退。高校卒業後に同13期生として再入学。フリーとなり長く地下芸人生活を送り、2017年12月放送『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の『第23回細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』で小出真保とともに優勝。翌1月放送『人志松本のすべらない話』(同)に出演しその名が轟く。近年は『水曜日のダウンタウン』(TBS系)などで活躍。R-1グランプリ2025ファイナリスト。