お互いに弱音を吐けばいい

──女性が賢い発言をすると、あいつは面倒苦いやつだと思われることも少なくありませんよね。

「そう思う男性側の方がダサいという風潮に、やっとなってきたんじゃないでしょうか。私自身もこれまで当たり前のことを言っているのに“怖い”とか“強い”とか、ずっと面倒臭いって思われてきたのだと思います(笑)」

──「色々褒めてもらいたい」という龍馬のセリフも男の甘えなのかなとも捉えられました。

「でも、お互いに甘えられるのが夫婦だと思っているし、ぶつかり合うからリスタートが出来るわけじゃないですか。だから、お互いに弱音を吐けばいいんですよ」

──つまりは、カッコつけない。

「男性が甘えないことがカッコつけてると思っているのが、女性側からしたらカッコ悪い。“あれをカッコいいって思っているんだよね”って私たちは言っている、陰でね(笑)」

 東さんのどストレートで歯に衣を着せぬ発言は筆者からしたら、なんとも耳が痛くなるというか胸に刺さる。そんな東さんのこれまでの人生での転機は……。

(つづく)

東ちづる(あずま・ちづる)
広島県生まれ。会社員を経て25歳から芸能活動を始める。料理番組『金子信雄の楽しい夕食』(朝日放送)で初代アシスタントを、テレビドラマ『温泉若おかみの殺人推理』(テレビ朝日系)では23年間主演を務める。プライベートでは骨髄バンクやドイツ平和村、障害者アートなどのボランティアを30年以上続け、2012年に誰も排除しない“まぜこぜの社会”を目指す一般社団法人「Get in touch」を設立し代表として活動中。2024年公開の映画『まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり』では企画・構成・プロデュース・出演と一人4役を務めた。公開待機作品に『シケモクとクズと花火と』がある。著書の「妖怪魔混大百科」(ゴマブックス)を基に、今夏以降、マンガやマスコット等展開予定。

【作品情報】
映画『真夏の果実』
出演:あべみほ 奥野瑛太 佐野岳 小原徳子 東ちづる 仁科亜季子 他
脚本:松本稔
監督:いまおかしんじ
5月17日(土)より東京・新宿K‘s cinema ほか全国順次公開
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
(c)2025「真夏の果実」製作委員会
公式サイト: https://www.legendpictures.co.jp/movie/midsummer_fruit/