妖怪をツールにしてチームビルディング講習も
「昔の妖怪を水木しげる先生が昭和という時代に置き換えましたけど、いま令和の時代の置き換えを私も楽しんでいるって感じです。ある時、 ボランティアで出会った言葉でのコミュニケーションが難しい人に自分を妖怪にしてもらいました。するとコミュニケーションがスムーズにとれたんです。それで、妖怪って便利だなと思い、妖怪をツールにしてチームビルディング講習も立ち上げました。そうしたらAIがものすごい高評価を打ち出してくれて(笑)。社内研修でも使うことがあるんですが、とっても便利なんですよ。例えば、“あなたの部署で困ったことがありますね。それはどの妖怪のせいでしょうね”って。そうすると、直接名前を言わなくて良いから、言い易くなるんです」

これからの人生も仕事が占めていくのだろうか。
「今やりたいことしかやっていないって感じです。もちろん、ゴルフしたりお芝居を観に行ったりとプライベートもちゃんとありますよ。でも、私たちの仕事って普段の生活が繋がっているというか役に立つというか。日常のすべてを活かせる仕事だと思っています。そういう意味では未だガツガツしているなって自分でも思います(笑)」
清清とした物言い。媚びない東さんの生き方に時代がやっと追い付いてきた……というところなのであろう。“まぜこぜの社会”を伝えるエンタメという啓発はこれからも引き継がれていくだろう。
東ちづる(あずま・ちづる)
広島県生まれ。会社員を経て25歳から芸能活動を始める。料理番組『金子信雄の楽しい夕食』(朝日放送)で初代アシスタントを、テレビドラマ『温泉若おかみの殺人推理』(テレビ朝日系)では23年間主演を務める。プライベートでは骨髄バンクやドイツ平和村、障害者アートなどのボランティアを30年以上続け、2012年に誰も排除しない“まぜこぜの社会”を目指す一般社団法人「Get in touch」を設立し代表として活動中。2024年公開の映画『まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり』では企画・構成・プロデュース・出演と一人4役を務めた。公開待機作品に『シケモクとクズと花火と』がある。著書の「妖怪魔混大百科」(ゴマブックス)を基に、今夏以降、マンガやマスコット等展開予定。
●7/27(日) まぜこぜ一座「月夜のからくりハウス~楽しい日本でSHOW!?~」渋谷区「さくらホール」にて開催。
【作品情報】
映画『真夏の果実』
出演:あべみほ 奥野瑛太 佐野岳 小原徳子 東ちづる 仁科亜季子 他
脚本:松本稔
監督:いまおかしんじ
5月17日(土)より東京・新宿K‘s cinema ほか全国順次公開
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
(c)2025「真夏の果実」製作委員会
公式サイト: https://www.legendpictures.co.jp/movie/midsummer_fruit/