「なんで社長を恨まないの?」と言われました

ーーそんな時期を経て、98年、波乱もありました。事務所の社長が失踪してしまうという……。

大西結花

「何が起こったのか分からず、弁護士さんと調べると、何か月も給料が入っておらず、税金は未払い。家賃は滞納していて、車のローンもありました。
 計画を立てて、少しずつ支払っていくしかありませんでしたね。その後、この話に関するテレビ出演依頼をいただきましたが、窓口になってくれた事務所の人に“悲壮感がない! お涙頂戴がないんだよな”と言われて、えー! そんなあ! ですよ(笑)。鼻をすすって、しゃべればよかったのかな(笑)。
 まあ巻き込まれちゃったものはしかたないですから。社長に思うことは説明して、ちゃんと払うものを払ってほしい、それだけでした」

ーーさっぱりしていますね。

「共演した方々にも“なんで社長を恨まないの?”と言われました。別に恨んでいないし、恨みで食べていけるわけじゃないし、後ろを向いている時間なんて、ないですしね」

ーーかっこいい! 12年には17歳年下の男性と結婚しますが、彼も大西さんの、そんなかっこよさに惹かれたんでしょうね。

「私は当時44歳、何度も“やめたほうがいい”と言ったんです。私は夫よりも義母のほうが年が近いし」

ーーお義母さんの反応は?

「私が“すみません……”となっていると、お義母さんは“年も近いし、友達みたいな感じでね”と声をかけてくれました」

ーー旦那さんは男友達の一人だったんだとか。

「私は性別問わず友達が多いと思うんですが、年齢の垣根もなく、彼とも、お互いの年齢を気にしていなかったんです。
 後に彼が“そんなに年上だったの!?”と驚く日が来るんですが(笑)、職業もずっと謎だったようで、“全国を飛び回っているから、CAさん?”とか予想していたみたい。あるとき、仕事を聞かれたので“えっと……イベント関係かな? みたいな(笑)”」