中1で体験したタイでの反響はものすごかった

――それはすごい体験ですね。

「貴重な経験でした。ただそのとき、たしか中国では『おしん』が放送直前だったんです。なのでその場では、中国の方よりも日本の方に、“写真を撮らせてください”“サインをください”とお願いされました(苦笑)。中学に入るまでの春休みには、韓国に行きましたが、当時はまだ日本のドラマを放送できませんでした。それで韓国の方が演じられたおしんの映画がありました。テープカットに伺って、韓国版のおしんを演じたキム・ミニさんと交流したりしましたね」

※韓国で日本のマンガや、映画、音楽などの大衆文化に触れられるようになったのは、1998年から2004年にかけて行われた文化開放措置を経てのこと。

――当時と今の文化の違いや歴史まで伝わってくるお話です。

「ただ一番大きな反響を感じたのは、中学1年生のときに行ったタイのバンコクでしたね。放送後だったので、ものすごい人気で、私が飛行機を降りていった瞬間から、“おしんがいる!”って(笑)。私は初めて行く国で、どなたも存じ上げないんですけど、みなさんは私のことを“おしん”と言って知っていると」

――中学1年生でそうした体験を。

「トークイベントをしたり、みなさんと交流したり。ちょうど私の誕生日もあったので、タイ語で、タイのお誕生日の歌をみなさんで歌ってくださいました。私は『おしん』というドラマの少女時代を演じたに過ぎないのですけど、その作品を通じて、こうして昔からの知り合いのような温かい交流をさせていただける。やっぱりメディアの力ってすごいものがあるのだなと肌で感じました」