1983年に、『ものまね王座決定戦』の特別編というべき『発表!日本ものまね大賞』に登場するや、いきなり大賞を受賞し翌年にプロデビュー。またたく間にものまね界のスターへと駆け上がっていった栗田貫一。清水アキラ、グッチ裕三、モト冬樹、コロッケとの「ものまね四天王」が起こしたブームを超える波は、正直、あれ以来起きていない。いまでは不動の人気キャラクター・ルパン三世の声でも知られる栗田さん。ものまねタレントにして、声優、ナレーターの語る人生のTHE CHANGEとはーー。【第4回/全4回】

栗田貫一 撮影/冨田望

 劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』と、前日譚となる配信作品『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 銭形と2人のルパン』がほぼ同時期に放たれ、話題となっている。栗田さんは1995年からルパン三世の声を演じてきた。デビューから丸40年をまわり、積み上げてきたキャリアのなかでも、80年代後半から90年代前半に築いた「ものまねブーム」が燦然と輝く。

――大変な人気でした。それをけん引していたわけですが、ブームのさ中にいるというのは、どんな感じだったのでしょう。

「あるとき新幹線で名古屋のホームに到着したら、たくさん女の人がいたんです。“誰か芸能人が降りるのかな?”と思いながら降りたら、“きゃー!”と黄色い悲鳴が飛んできて。“あ、オレだったのか”と。なんでオレに言っているのか、意味がわかりませんでしたけど。そんな時代がありました」

――ホームで“きゃーきゃー”と。

「ホームだけじゃないんですよ。笑わせるために舞台上に出ていくと、客席できゃーきゃー言ってるんです。こっちは笑わせようと思っているのに。“静かにしろよ”くらいのことを言った覚えがありますね」