明治大学在学中より映画製作を始め、数々の映画を世に放ち“バカ映画の巨匠”と呼ばれる河崎実さん。彼の人生の原点である「THE CHANGE」とはーー。【第2回/全2回】

エポックメイキングとなったのは、初の長編劇場用作品だった『いかレスラー』 (04年)ですね。『えびボクサー』 (03年)というイギリスのバカ映画があるんですよ。で、「えびがあるなら、次はいかだろ」と思って作った作品で、巨大ないかがプロレスをやります。
以後もひたすらバカ映画を作り続けました。『日本以外全部沈没』(06年)は、樋口真嗣監督の『日本沈没』の直後に公開されました。DVDは『日本沈没』より先に出て、全国のショップで、店員が「これ、『日本沈没』ではないですけど、よろしいですか?」と確認していたといいます。おかげさまで大ヒットでした。
『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』(08年)は、松竹の怪獣映画『宇宙怪獣ギララ』(67年)のリブートです。正統派の怪獣映画を期待していた人もいたようですが、“オレがやるんだから、そうならないよ”と。ビートたけしさんを引っぱり出して、予想を裏切るようなふざけた展開にしました。
今は66歳ですが、元気に活動できていますね。健康の秘訣としては、食事ですかね。毎日、朝7時、昼の12時、夕方の6時と時間通りに食べています。朝は納豆、卵焼き、みそ汁、ごはん、果物と決まっていて、それを欠かさず続けています。
映画監督って生活が不規則なイメージがあるかもしれませんが、僕の映画は毎日夕方5時に終わりますから。しかも、3〜5日ぐらいで撮るから、あんまり影響ないです。
落ち込むこと? それがないんですよ。もちろん僕だって誤解から人間関係がおかしくなったことや、大病をしたこともありました。でも、嫌なことは忘れるようにしています。
そう、目指すべきは長嶋茂雄さんですよ。ミスターは異様なほどに常にいいことだけを考えていたみたいですね。試合前、スポーツ新聞の一面に、自分で「長島、逆転ホームラン!」とマジックで見出しを上書きしていたらしいですよ。で、実際にその通りになった。