脚本が未完成。ベールに包まれた舞台『震度3』に何を感じたのか

 インタビュー時点では、脚本は未完成で「とにかく泥臭い、人間臭い作品にしたい」(赤堀さん)ということ以外、ベールに包まれている。そんな舞台に、彼女が期待することは?

──以前、赤堀さんの舞台を観劇されていたそうですが、赤堀さんの作品にはどのような印象をお持ちですか?

「のぞき穴から人の日常をそのままのぞいているような気分になりました。舞台上の情景は一見普通で、日常の延長にあるような言葉で進みます。でも人の生き死にや、いい意味で完璧ではない、ダメな部分を抱えながら泥臭く生きる人たちがリアルに描かれていて“こののぞき見るような感覚が、赤堀さんワールドなんだ”と思いました」

上白石萌歌 撮影/有坂政晴 ヘアメイク/坂本怜加(Allure) スタイリスト/道端亜未

──赤堀さんご本人にお会いして、どのような印象を受けましたか?

「いい意味で思考が透けて見えない、ミステリアスな方ですね。鋭く見ていらして、それが人の本質をあぶり出す赤堀さんワールドになっているんだと思います。私のことも見透かされているのかなと、ポスター撮影のときはちょっと警戒してしまいました(笑)。今回呼んでいただいた俳優さんの中で、私は異質だと思っているので、“どうやって赤堀さんが考える世界になじんでいこうか?”と、ちょっと不安はありました」