正直すぎるコメンテーター、ファッションアイコン、ポケットビスケッツのボーカル、そして母親。多彩な魅力を持つ千秋さんだが、アーティスト「chiaki」名義でも活動し「歌」への思いは芸能界のスタートから一貫していたという。「歌手になる」という夢を叶えた千秋さんのTHE CHANGEとはーー。

千秋 撮影/松野葉子

 真っ白な素肌に印象的な瞳の色。女性カメラマンも「見つめられてドキドキした」と高揚する千秋さんの透明感は圧倒的だ。その千秋さんには、今年20歳の娘がいる。

 2003年5月に出産した女の子、通称・苺ちゃんは現在、千秋さんの公式YouTubeチャンネル「千秋の歌のチャンネル」では撮影や編集を担うなど、頼もしい存在だ。

ーー千秋さんの育児といえば、唯一無二で、多くのファンがマネしたくなるものだったと思います。たとえば、娘さんと一緒に定期的に映画を観る、など。

「『映画ブ』ですね。そもそも、自分が育った環境がよかったなと思っていて。母が童話やおとぎ話など、いろんなこと教えてくれたんです。私はそうやって小さい頃から普通に知っていて、学校の教科書レベルでみんなも知っていると思ったら、そうでもないことを知って。たとえば、ピーター・パンについてあらすじを知っているのは私だけだったり」

 映画や音楽に豊富に触れてきた幼少期があるからこそ、「いまの自分の役に立っている」と実感し、自身の子どもにも吸収してもらいたいと考えた。

「それで『映画ブ』を作って。60年代、70年代に流行った映画や、自分が子どものころにワクワクした『ET』や『グーニーズ』『スタンド・バイ・ミー』とかの映画って、今の娘にとってもいいものだろうと思って。

 ふたりで観て、感想をノートに1ページずつ書くようにしたんです。“おもしろかった””こわかった”とか、なんでもいいから書こうって」

 ほかにも千秋流育児法はある。「おもちゃを買い与えない」だ。なかなか実践が難しそうだが、千秋さんは軽やかに実践していた。

「自分で洋服の仕事やるようになってわかったんですけど、最近の子どもって、子ども1人に対して6個のお財布があると言われていて。お父さんにお母さん、両方のおじちゃんおばあちゃん。それでめちゃくちゃ物があふれてしまうと。

 物があふれると飽きちゃうじゃないですか。だから私は”おもちゃは買わない。誕生日とクリスマス以外は、一切”と宣言したんです」