名曲『366日』や、さわやかでロマンチックな『AM11:00』、沖縄の歴史を歌に込めた『時をこえ』など、数々のヒット曲を放ってきた沖縄在住のミクスチャーバンド、HYが結成25周年を迎えた。いかにして彼らは、世代を超えて愛される存在になったのか。その秘密を探るため、バンド、そしてメンバー各々の“THE CHANGE”について赤裸々に語ってもらった。【第1回/全5回】

全国44か所を巡るホールツアーやスペシャルライブ『BEST!! Special TIME TRIP』の開催など、結成25周年のアニバーサリーイヤーを駆け抜けているHYが、多忙な合間を縫って取材ルームに足を運んでくれた。THE CHANGEのシンボルである砂時計を手渡すと、「この1月にリリースした16枚目のアルバム『TIME』も、砂時計がキーモチーフなんですよ」と口々に、うれしそうな表情を浮かべ、これまでの道のりについて語り始めてくれた。
仲宗根泉さん(以下、仲宗根さん)「HYにとって最大の“THE CHANGE”は、やっぱり自分たちのレーベルを立ち上げたことかな」
名嘉俊さん(以下、名嘉さん)「それは確かに大きいね」
許田信介さん(以下、許田さん)「29歳のときだった」
仲宗根さん「それまでは、路線を引いてもらって、それに従って進んでいたんです。音楽を作る以外は、人任せだったというか。すごく恩恵も受けたけど、その分、自分たちのペースで物事を進めにくいもどかしさみたいなものも感じるようになり、誰かのサポート抜きに、自分たちの力を試してみたいと思うようになったんです」