ライジングプロダクション代表・平哲夫氏から直接デビューの話が
はじめは、三木たかし氏の未発表曲を世に贈り出すプロジェクトの仮歌を依頼されただけだった。だが、真心のこもった歌声を音楽の女神は決して放っておかなかった。
「私は18年ちかく、ライジングプロダクションに所属するアーティストさんたちのために、たくさんの仮歌を歌わせていただきましたが、その代表取締役でありプロデューサーの平哲夫さんには一度もお目にかかったことがなかったんです。
なので、2025年2月に、“平さんが呼んでるから、事務所に来てください”と言われたときは、“私、なにかヘマしちゃったのかな。どんなことを言われるんだろう”って、すごくドキドキして。緊張しながら応接室に入っていくと、平社長は立ち上がりながら“どうしてあなたは、この歌をこんなに素晴らしく歌えるの?”とおっしゃったんです。褒(ほ)めていただけると思っていなかったので、ホッとしたしうれしかったですね」

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「平社長は“三木たかし先生の大切な楽曲を僕は後世に伝えたい。僕がこのプロジェクトの全責任を取るから、歌手としてデビューしてみませんか”とおっしゃったんです。 全く想像もしていない言葉でしたが、“何もない”と思っていた自分にそんな言葉をかけていただけるなんて、本当にうれしくて。表舞台に立つことは正直苦手ですが、2秒で即断して“私にできることは、何でもやらせていただきます”とお答えしました」