大学時代の「落研」の経験

 同じ作品を作り上げる仲間への深い洞察、共感や敬意の先で自分をも奮起させる力に転換させていく覚悟を話してくれた中島さん。そんな中島さんに重要な変化をもたらしたと思う作品について聞くと、興味深い経験を教えてくれた。

中島歩 撮影/片岡壮太

「演技に関していえば大学でやっていた落語ですかね。演じることの面白さを体験できたので、それはすごく今に影響してるなって思います。

 “漫才とコントのサークルだよ、楽だよ”って勧誘されて、入ったらもうガッチガチの古典落語を覚えさせられて、“話が違うな”と思ってたんですけど、やりはじめたらハマっちゃったんですよね。

 『火炎太鼓』っていうネタを3年生の時に学祭でやって、お客さんにすごく喜んで見てもらえたことが、この業界に入る勘違いのはじまりだったんだと思います」