「どうやったら笑ってもらえるか」

 中島さんが落研に在籍していたというのには驚いたが、実はこの落語の修行が俳優の仕事にも影響を与えていると聞き、さらに驚いた。

「どうやったら笑ってもらえるかっていうのは、お客さんとの呼吸をつかむということだったりするので、そういったことを素人ながらに体感できたのはとても良かったです。

 “このテンポや抑揚だったら笑ってもらえる”とか“このまま行けばあそこがウケるだろうな”とか分かってくるんですよね。そういった感覚を養えたことは落語をやっていたからこそだと思います」

中島歩 撮影/片岡壮太

 若い共演者に見出したかつての自分も感じた壁と、それを乗り越えた変化、さらに大学時代の落語経験。一見すると全く違ったこれらの要素が、俳優・中島歩を支える大きな「THE CHANGE」となり、これからもその魅力を世の中に発信しつづけていくことになりそうだ。

■中島歩(なかじま・あゆむ)
1988年10月7日生、宮城県出身。大学在学中にモデルを始め、その後役者を志す。13年4月、美輪明宏主演の舞台『黒蜥蜴』のオーディションで200名の中から選ばれ、同舞台で俳優デビュー。14年の連続テレビ小説『花子とアン』では、仲間由紀恵演じる蓮子の駆け落ち相手・宮本龍一役で人気を博した。23年にはNetflix『離婚しようよ』出演のほか、8月11日から公開される話題作『さよならエリュマントス』では、「ミスマガジン2022」で受賞した若手俳優たち演じるチアリーダーチームをまとめるマネージャー役で新境地を切り開いている。

■映画『さよならエリュマントス』
監督・脚本:大野大輔 プロデューサー:山口幸彦、直井卓俊、後藤剛
主題歌:MOSHIMO「さよならエリュマントス」
企画協力:講談社・ミスマガジン事務局
出演:ミスマガジン2022(瑚々、咲田ゆな、麻倉瑞季、斉藤里奈、三野宮鈴、藤本沙羅)、中島歩、⽶本学仁、豊⽥ルナ、川瀬陽太、平井亜⾨、⽥中爽⼀郎
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
8月11日(金)より全国順次公開