大きな成功がもたらした違和感と葛藤

大きな成功がもたらした違和感。その葛藤は、2020年に主演を務めたドラマ『テセウスの船』(※)(TBS系)で、再び彼を悩ませることになる。
※『テセウスの船』は、1989年に起きた無差別毒殺事件の真犯人を探すため、事件前の過去にタイムスリップした主人公が、冤罪で逮捕された父の無実を証明しようとするミステリーサスペンス。竹内さんは主人公・心を熱演し、家族の絆と真実への執念を描き、多くの視聴者の共感を呼んだ。
「ドラマの主役を演じるって、ライダー(『仮面ライダードライブ』)以来の事だったんですよ。日曜劇場で作品自体の規模も大きかった。当時は若かったし、僕自身もボキャブラリーが少なくて、思い描いているイメージの説明も上手くなかったんです。だからうまくコミュニケーションがとれないこともあって、悩んだ時もありました」
──主役を演じることで、求められることが変わってきたのかもしれませんね。自分の中でモヤモヤした感じがあったのですか?
「すごく嬉しいことだとポジティブに捉えていたんですけど。求められたらする、でも本来“求められたことに対してする”でこの世界に入ってないんです。“これをやりたい”で入っているから、矛盾することもありますよね。自分発信ではないと、自分のペースと合わなくなって疲れてくる。そうなるとつい義務のように感じてしまうこともあって。相手のコレをして欲しいに答えると、自分がどんどん消費されていくような錯覚に悩んだ時期もありました」
20代の半ばころから自分に悩むこともあったという竹内さんだが、逃げ出したいという気持ちにはならなかった。
(つづく)
竹内涼真(たけうち・りょうま)
1993年4月26日、東京都生まれ。2013年、女性ファッション誌『mina』初の男性モデルオーディションでグランプリを獲得。2014年10月、テレビ朝日系特撮『仮面ライダードライブ』で主演を務め、注目を集める。主な出演作は、ドラマ『下町ロケット』(14年、TBS系)、『時をかける少女』(16年、日本テレビ系)、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(17年)、『過保護のカホコ』(17年、日本テレビ系)、『陸王』(17年、TBS系)、『君と世界が終わる日に』シリーズ(21~23年、日本テレビ系×Hulu)、『六本木クラス』(22年、テレビ朝日系)、映画『青空エール』(16年)、『センセイ君主』(18年)、『アキラとあきら』(22年)、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(24年)、Amazon Originalドラマ「龍が如く~Beyond the Game」(24年)など。17年公開の映画『帝一の國』で、『第41回 日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞。Netflix映画「10DANCE」が12月~世界独占配信。
【作品情報】
火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
10月7日(火) よる10時よりTBS系にて放映スタート
出演:夏帆 竹内涼真 中条あやみ 青木柚 前原瑞樹 サーヤ(ラランド) 楽駆 杏花 池津祥子 菅原大吉
原作:谷口菜津子
脚本:安藤奎
音楽:金子隆博
主題歌:This is LAST「シェイプシフター」
演出:伊東祥宏 福田亮介 尾本克宏
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/antaga_tbs/