本を作りながら実感するお酒の奥深さ

山内「ジン、リキュール、ウイスキー……それぞれ専門店が増えていますよね。だからこそ、ひとつひとつお酒の奥深さを感じます」

「掘り下げていくと、どのお酒にも応用性がありますよね。それを掘り下げるのが楽しいのかもしれません」

完成前の本のゲラ(校正紙)を広げBARで制作を振り返る二人 撮影/三浦龍司

 山内さん自身も日本酒を専門としているが、それでも「いまだに追いきれてない。毎回本を書くたびに“よくネタがあるな”と思う」とその奥深さを実感するという。

山内「とはいえ、ほかのお酒も知っていたほうが日本酒の知見も広がるんです。だから今回作りながら“こういう本があったらいいな。いままでなかったな”と思っていました。各種お酒の基礎知識本はたくさんあるけど、これだけのお酒の基礎知識をここまでぎゅっとしたものってなかなかないですよね」

「そうですよね。そもそもお酒の数も膨大だし、今回制作をはじめるにあたって、すごい絞りましたもんね」

山内「そう! 絞る作業は陸さんが担当して、相当たいへんだろうなあと」

ーーどうやって絞ったんですか?

「まず世の中に出回っているお酒を出来る限り把握してリスト化して、僕はこういう仕事をしているから素人目線がないので山内さんに相談して、ジャンルを決めていって」

山内「これだけ絞るのはたいへんでしたよね。決まったあとも“これでいいんだろうか……”と不安になって違うお酒に変えたりとか、ありましたもんね」