お酒の勉強をし始めたのは中学生くらい

ーー今回、「教科書」を作ったことでお酒に対して新たな発見はありましたか?

「新しいというより、戻る感覚でした。僕がお酒の勉強をし始めたのは中学生くらいなんですけど」

ーーえ!!!

山内「古谷先生の漫画を読み始めたのも、幼稚園のころからですもんね(笑)」

「そうなんですよ。そうすると当時と今とでは文献も変わっていて。当時とは違ういまの定説ができていたりして、アップデートしていく感覚がありました。“今ってこうなんだ!”という勉強になりました」

山内「私は日本酒と本格焼酎以外はかなり門外漢なので、そもそもが新たな発見の連続でした。少し本文に出てきますが、ほかのお酒との共通項があるのがおもしろいなと思いました。たとえば、ウイスキーの○○は日本酒にたとえるとこうですよ、という話もいただいて、その視点は今まで持っていなかったので、自分の日本酒感も広がって、結局やっぱり私は日本酒を掘っていきたいんだなということに改めて気づきました(笑)。そして、ほかのお酒については無理に追うのはやめようと(笑)。あまりにも深すぎて……。久しぶりにいろいろなバーに行きましたが、中途半端に専門分野を広げては肝臓も保たないと諦めがつきました」

「大きなジャンルを知っているくらいでちょうどいいですよね」

本書の執筆で自分の日本酒感も広がったと話す山内聖子さん 撮影/三浦龍司