時代の流れに乗らないところ、國學院らしい(笑)

丸山「そうですね~。今みたいなオンライン提出なんてできないし、学校規定の書式と、生協で売っている指定の表紙じゃないと受け付けてくれないしで……」

宮田「あ、表紙は今もありますよ!」 

丸山「やっぱりそうなんだ! で、“書式さえ守ればインクジェットで原稿用紙に出力してOK”なんて革命も起きたんだけど、指定の原稿用紙が小学校の作文のものと同じサイズとフォームでしたからね。B4サイズって家庭用のプリンタに入らないじゃないですか。紙を半分に切って印刷したら絶対ずれるし、貼り合わせるの面倒だし……だから結局、“手で書いたほうが早いじゃん!”って(笑)。結局、パソコン詳しい仲間に書式をきちんと設定してもらって、横書きA4サイズで印刷して提出できたからよかったですけど」

宮田「私の頃も、近現代文学専攻の人たちは手書きでした。“前は万年筆じゃないといけなかったけど、ボールペンでも許可されたんだ!”って嬉しそうに言ってたけど、“みんなはパソコンで書いてるよ……!?” って思った記憶があります(笑)」

丸山「そういう時代の流れに乗らないところ、本当に國學院らしい(笑)。僕、卒論の時期に忘れられない思い出があって。助手の先生から“卒論提出の最終日、余裕があったら学生が提出するところ見てきたら良いよ”って言われて見に行ったんです」

宮田「提出の最終日ですか?」

丸山「そう。そしたら、もう阿鼻叫喚の地獄絵図(笑)! 提出締め切り時間になると受付の部屋が閉められちゃうから、終わってない学生は部屋に押し込められて残りを書いているんだよね」

宮田「大変そう……。でも、見てみたかった(笑)」

丸山「論文を書き終えたら最後に紐で綴じて完成なんだけど、アレが通せずに“私、こんなことで卒業できないの!?”ってパニックで絶叫している学生とかいて……めちゃくちゃ面白かった(笑)。就職も決まっているし人生がそこにかかってるわけじゃないですか。みんな必死でしたよ」

宮田「面白すぎる(笑)。そう考えると、“大学の勉強が社会に出ても役に立たなかった”とか“つまらなかった”って人の話を聞くと悲しくなっちゃいます。すごく楽しかったのになって。いまだに私、会う人会う人に“卒論とかメインの研究って何やってたの?”って聞いちゃうんですよね。大学名とか学部より、研究の内容が気になってしまうというか」

丸山「それ、すごくわかります! そういう面は、我らが母校の出身者は年代関係なくあるんでしょう。研究とか勉強に没入しすぎて……みたいな。僕とか僕の先輩含めた文学部の人たちって、“就職しない率”がけっこう高かったんですよ。就職課なんて、誰も行かない(笑)。なんなら、入学した時に“教師になる以外、就職は諦めてください”なんて大学側から言われる始末でした。あとは自分で頑張るか、バイトでコネでも作ってこいみたいな……(笑)」

宮田「それ、卒業後どうされていたんですか? 先輩方は」