考古学的な思考はライター活動にも共通する
宮田「“取り巻く環境が変化に適応できた”と。確かに私と共通した部分かもしれませんね。反対に、ライター活動の中で考古学のスキルが生かせたこともありました?」
丸山「レポートの書き方だったり、“きちんと時系列を踏まえ、問題点を提起し、検証して結論を伝える”という考古学的な思考はライター活動にも共通していましたね。その点、自分は文章の書き方の基本の“き”を考古学に教えてもらえたなと感謝しています」

宮田「確かに小説でも、ストーリーを立てずに感情的に書いた文章だったり、すべて会話のような文章だったりすると、読みにくい原稿になりそうです」
丸山「そこも共感できますね。宮田さんの小説とは少し毛色は違うんですけど、僕も最近は漫画原作を書くことがけっこうあって。どこかの世界で起きてる現実をコラージュしたり再編集したりして構成するんですけど、実感として取材をすることと物語を作ることって、けっこう近いんだなって思いました」
宮田「確かにそういう部分あるかもですね! ちなみに、今の仕事をする上でキャリアが変わった大きな転機ってありましたか?」
丸山「自分が変わったというか、世間の僕を見る目が変わった瞬間はありました。それが、2015年のお正月に放送された『クレイジージャーニー』の特番ですね。出版の世界では“裏社会的なことをよくやっている若手のライター”ぐらいの評価だったのが、テレビに出た瞬間、それがひっくり返ったんです」
宮田「ここで『クレイジージャーニー』が出てくるんですね。今やゴンザレスさんの代名詞的なイメージがあるのですが」