俺は彼らに日本のアンダーグラウンドを案内できるのか

丸山「いますよ。以前、 “このスラム行きたいんだけど”と協力者を探していたことがあって。何十人もアクセスして1人だけ連絡が返ってきて、それが今の中南米で取材をするときのパートナーになっています。俺と同じマインドの人って、各国に1人くらいは出会えるものなんですよ」

宮田「やっぱり、このお仕事には人との繋がりが大切なんですね」

丸山「だから、いつか彼らがいつか日本に来るって言った時に、俺は果たして日本のアンダーグラウンドを案内できるんだろうかっていう心配はありますけどね(笑)」

宮田「先ほど、好きなことを伝える意識を持つように変わっていったとおっしゃっていましたが、ライターさんを始めた時と今で、根本的な考え方にも変化はあったんですか?」

丸山「そこはあんまり変わってなくて……。気分は当時と変わらず、いつまでもフリーライターのままです。ただ、今後はちょっとスタイルを変えて活動していくのもアリだと思ったりはしていますね」

宮田「お、それは今後もチェンジがありそうですね!」

【第5回に続く】

宮田愛萌(みやた・まなも)
1998年4月28日生まれ、東京都出身。2023年アイドルグループ卒業時に上梓した『きらきらし』(新潮社)で小説家デビュー。現在は文筆家として小説・エッセイ・短歌などジャンルを問わず活躍。ほか、主な著書に『あやふやで、不確かな』(幻冬舎)、『春、出逢い』(講談社)、『おいしいはやさしい』(PHP研究所)、『わたしのをとめ』(短歌研究社)などがある。また、タレントとして、”本”に関するテーマでテレビ、トークショー、対談などに出演する。

丸山ゴンザレス(まるやま・ごんざれす)
1977年生まれ、宮城県出身。ジャーナリスト、作家、漫画原作者、編集者。國學院大學学術資料センター共同研究員。國學院大學大学院修了後、出版社勤務を経て独立。2005年『アジア『罰当たり』旅行』(彩図社)で作家デビュー。テレビ番組「クレイジージャーニー」(TBS系列)では、世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩く“危険地帯ジャーナリスト”として人気を博す。YouTubeチャンネル「丸山ゴンザレスのディープな世界」はチャンネル登録者数140万人超。近著に『世界の混沌を歩く ダークツーリスト』(講談社)、『世界の危険思想~悪いやつらの頭の中~』(光文社)、『タバコの煙、旅の記憶』(産業編集センター)などがある。

『MASTERゴンザレスのクレイジー考古学 増補改訂版』
丸山ゴンザレス著
本体価格:750円(消費税別)
文庫・288ページ
TBS系列の旅番組『クレイジージャーニー』や、YouTubeチャンネル「丸山ゴンザレスのディープな世界」で大人気の裏社会ジャーナリスト・丸山ゴンザレスが、その活動の原点とも言える考古学について、自身の半生を振り返りながら持論を展開する異色の旅エッセイ。さらに、これまでの取材を通じて見てきた「裏社会」と、学生時代に修士号を取得した「考古学」を融合させた「ハイブリッド考古学」の実証に挑む。2020年に出た単行本を加筆修正し、イラスト、写真、対談記事を加えた改訂完全版!