いつものフルフェイスを半キャップにした運命のいたずら

――聞いているだけで怖いです。
「えらい暖かい日で、それまでフルフェイスやったヘルメットを、3月26日のその日に半キャップに変えていました。それもあって、顔面がグシャ~っといった」
――ああ・・・。
「のちのちお医者さんから言われた話だと、たしかにフルフェイスやったら顔は無傷だったろうし、半キャップやったからぐちゃぐちゃになったと。ただ、顔面で衝撃を吸収したから、首に来ずに命が助かった可能性が高いと。フルフェイスだったら、衝撃が全部首にかかって、死んでたかもと。“なるほど、そういうこともあんのか”と」
――たしかに、言われてみるとそうかもしれせん。
「意識が戻ったときにはICUにいて、自分に管がいっぱい通されていて“ああ、事故ったのか”と。電子音がピッピピッピ鳴っていました。意識もなくなったり戻って起きたりを繰り返しているような感じが続いていました」
――大変な状態です。
「近しい人間しか入れなかったのですが、意識が戻って1~2週間くらいのとき、うちのマネージャーが来て、“放送作家をやらせてもらいましょう”と。それを聞いて、“やっぱり芸人としてはもう無理なのか。表に立つのは無理なんだなぁ。芸人人生終わった。もう戻れないな”と思いました。でも自分は芸人しかやってきてないですし“どうしようかなぁ”と」