「ふたたび4人で音を奏でられたあの瞬間は、僕にとってものすごく大きかったです」
まるで昨日のことを語るかのように、細部まで鮮明に記憶している高橋さん。長いキャリアの中で、さまざまな経験をしてきた彼にとって、この再始動に至る一連の出来事が、いかに特別だったかが伝わってくる。
「2022年7月16日に『音楽の日2022』(TBS系)へ出演したのを皮切りに、男闘呼組が2023年に結成35周年を迎えることもあって、期間限定で復活することになりました。同じ年の10月4日、5日には、東京ガーデンシアターで約30年ぶりに男闘呼組として4人がステージに立ったわけですが……あの瞬間は、もうなんていうか、信じられないような気持で。ちょっと夢を見ているような、奇跡のようでしたね。活動休止した当時、絶対に再始動はかなわないと思っていたから、ふたたび4人で音を奏でられたあの瞬間は、僕にとってものすごく大きかったです」
※男闘呼組のインスタグラム @otokogumi.tokyoより
活動休止時に24歳だった高橋さんは、東京ガーデンシアターの舞台では53歳に。夢見がちな青年でなく、成熟した大人になってから奇跡のような体験をしたことは、想像を超えた驚きだったに違いない。
「誰もが不可能だと思っていたことが可能になる……。“こんなことが現実に起こるんだ”というあの瞬間を、まざまざと自分が身をもって体験したことは、僕の人生にとって確実なターニングポイントだと思います。10代で芸能の世界に入り、50代になるいままでなんとか自分なりに前に進んできました」