2005年に「スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックス」で審査員特別賞を最年少で受賞し俳優デビューの切っ掛けを掴んだ土屋太鳳さん。以降は、ドラマ、映画、舞台などでジャンルを問わず活動を続けている。プライベートでは2023年に結婚と出産をし、一人の女性として益々輝きを増している土屋さんのCHANGEに迫る。【第1回/全4回】
ワンショルダーの深紅のドレス姿で土屋太鳳さんが現れると、取材会場は一気に華やかな雰囲気に包まれた。この日は、10月31日に公開された映画『盤上の向日葵』のジャパン・プレミアが行われ、坂口健太郎、渡辺謙など錚々たるキャストたちが揃って登壇し、話題ととなった。
この作品で坂口健太郎が演じる主人公、天才棋士の上条桂介に大きな影響を与える賭け将棋の真剣師・東明重慶を演じるのが名優・渡辺謙だ。土屋さんには特別な想いがあった。
「子どもの頃、週末には家族でいつも映像作品を観ていたんです。渡辺謙さんが出演されていた『ラスト サムライ』(*)は数えきれないくらい、エンドレスに家で流れていました。小学生の頃から一人暮らしを始めるまで、観た回数は数えきれません。あの作品の素晴らしさは、子どもの私でも理解出来ました。あまりにも見過ぎて、謙さんの “Perfect”という最後の台詞が、人生で一番最初に覚えた英語なんです」
*トム・クルーズ主演の時代劇アクション映画『ラスト サムライ』(2003年)は、真田広之や小雪など多くの日本人俳優も出演した名作。渡辺謙はこの作品で第76回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、世界中にその名を知らしめた。
『盤上の向日葵』で憧れの渡辺謙と共演を果たした土屋さんは、このことを直接本人に告げたという。