少し離れたところから見ていると「“お前、ふだん何やってるの?”って声を掛けてくださって」
「野田さんはいつもたくさんの学生に囲まれていたんですけど、僕はそういうのがちょっと苦手だったので、少し離れたところから見ていました。そうしたら、ある日、“お前、ふだん何やってるの?”って声を掛けてくださって、“古田新太さんが所属している事務所に所属していて、役者として食べていけるように頑張っています”みたいな話をしたんです」
すると、所属事務所に直接、出演オファーが届いたのだという。
「舞台って、ほんとに切り詰めて切り詰めてとか、ピリッとした空気の中でやるものだと思っていたんですけど、野田さんの稽古場では遊ぶような感覚で作っていくんです。たとえば、神話に出てくる生き物たちを体で表現してみようとか。それで自分なりにやってみても、それは違うとかって否定しないんです。
そんな空気の中で自由に伸び伸びとお芝居することができて、“お芝居って楽しいんだ”って思えてきたんです。それまではセリフをちゃんと覚えて、その通りにやらなきゃいけないみたいなところにちょっと窮屈さを感じていて、お芝居そのものが苦行みたいに思えていた時期でもあったので、こんなにも自由でいいんだってお芝居に対しての向き合い方が変わりました」
野田秀樹との出会いは、加藤さんの人生にとって間違いなく、大きなCHANGEだったのだろう。そして、加藤さんは“運命の作品”と出合うことになる。
(つづく)
加藤諒(かとう・りょう)
1990年2月13日生まれ、静岡県生まれ。O型。身長160cm。10歳のときにバラエティ番組『あっぱれさんま大先生』(フジテレビ系)で子役デビュー。以降、主な出演作に、『デトロイト・メタル・シティ』、『金メダル男』、『本能寺ホテル』、『翔んで埼玉』、『おそ松さん』、『ネメシス 黄金螺旋の謎』、『はたらく細胞』などの映画や、『学校のカイダン』、『怪盗 山猫』(ともに日本テレビ系)、『主に、泣いてます』『ルパンの娘』、『ナンバMG5』『嘘解きレトリック』(すべてフジテレビ系)などのドラマがある。舞台化と映画化されたギャグ漫画『パタリロ!』では主人公・パタリロを演じ、その再現度の高さが絶賛された。ミュージカル『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』にも出演を果たした。近作にはNetflix『今際の国のアリス3』、映画『事故物件ゾク 恐い間取り』がある。
【作品情報】
『仮面の忍者 赤影』
毎週日曜日 深夜0:10~0:40 テレビ朝日系にて放映中(*一部地域を除く)
出演:佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS) 木村慧人(FANTASTICS) 加藤諒 山本千尋 勝矢 小野塚勇人 元木聖也 本山力 細田龍之介 柄本時生 忍成修吾/TAKAHIRO(EXILE)
原作:横山光輝
脚本:渡辺雄介
総監督・監督:三池崇史
Ⓒテレビ朝日
公式サイト: https://www.tv-asahi.co.jp/akakage/