シェイクスピア戯曲から部下の男性に恋するイケオジまで――ありとあらゆる役柄、そのすべてにおいて説得力のある演技で観る者を魅了し続ける俳優・吉田鋼太郎さん。11月21日より公開中の細田守監督作『果てしなきスカーレット』では声優をつとめ、さらに活躍の場を広げている。そんな吉田さんのTHE CHANGEとは――。【第4回/全5回】

吉田鋼太郎 撮影/有坂政晴

 数多くのドラマに出演し、舞台では俳優と兼任して演出もつとめる俳優の吉田鋼太郎さん。公開中の細田守監督作『果てしなきスカーレット』では、声優をつとめている。そんな俳優、演出、そして声優と大活躍の吉田さんに、人生の転機、THE CHANGEについて聞くと、「18歳のころから芝居を始めて、シェイクスピアばかりやってきたんです」と振り返ってくれた。

「45歳のとき、蜷川幸雄さん演出でシェイクスピア作品『タイタス・アンドロニカス』をやったんです」

 2004年に日本で初公演をおこなった同作で、吉田さんは主演をつとめた。その2年後、小栗旬さんらを新たなキャストとして加えた布陣で、シェイクスピアの本場であるイギリスで公演することになった。

「イギリスのストラトフォード・アポン・エイボンという、イギリスの王立劇団『ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー』の本拠地でやることになったんです。つまり、世界最高峰の劇場です。観客は辛口のイギリス人ばかりだし、日本人はほとんどいないし、『初日からブーイングが出るかもしれないな……』みたいに思いながら、心臓が口から飛び出す思いでしたね」

 カーテンコールで吉田さんの目に映ったのは、観客全員のスタンディングオベーションだった。

「もう信じられなかった。18歳からシェイクスピアをやってきた人間にとっては、本拠地で受け入れてもらえたというのは、夢がかなったと言っていいんじゃないかなと。そういう精神状態になっちゃって。『じゃあ俺はこれからどうしよう』と、目的を失った感じになったんです」