ゴミも積もれば本になる!?
「一人暮らしのときは、毎日1食、ときには3食インスタントラーメンを食べてました。だから、“1日1食は必ず食べる”と自分の中で掟を作って、毎日違う商品の袋麺やカップ麺を食べて、それをスクラップブックに貼るというのをやりはじめたんです。日記も添えて。僕はとにかく一旦楽しいなってことを始めるとやめないんですよ。結婚してからはさすがに毎日は食わないから数は減りましたけどね。
インスタントラーメンも本になりましたし、ジュースの空き缶もちょっと前に本になったんで、“ゴミも積もれば本になる”というか(笑)。それも別に最初からこれを集めて本にしようとか思っていた訳ではなく、ただ本当に自分が楽しむことをやってたら、ある程度集まっちゃって、それじゃあと……。
音楽もそれに近いかもしれないですね。とりあえず自分の好きなことをやってたら、後から結果がついてきたような感じです。そして、ミュージシャンの道を諦めたかなんかの人が捨てた太鼓を拾って……、そう、誰かが諦めてくれたおかげで、それが僕に拾われてデビューに繋がっていったという感じです」
昔から人が捨てるものに価値を感じていたといい、ビンボーでも集められるものとしてインスタントラーメンの袋や、空き缶を集めるようになったそうだ。
「たとえば高級な器でも何でも誰かが取っておくから、ずっと残っていくものだけど、みんなゴミだとか捨てるものが、むしろ集めたら面白かったり、何十年か後に貴重なものになるんじゃないかなとかいうのがあったんですよ。高いものには手が出せないっていうのもあるんですけど、そういうものは僕がやらなくても、もうみんなが未来まで保存していくものですからね(笑)」
そして、高円寺で捨てられていた太鼓(スネアドラム)に出会い、人生が変わった。それは単なる偶然ではなかったのだ。